あたらしい猿島が、動き出す── 2025年、猿島航路再開30周年。

新造船PROJECT

豊かな自然と今も残る史跡をイメージした
猿島航路の新フラッグシップ、2024年4月、誕生。

2025年に航路再開30周年を迎える無人島・猿島航路。
そのアニバーサリーイヤーにふさわしい新しい船が来年、誕生します。
直線と曲線の調和、そして特徴的な2本のファンネルを備えたフォルム。
ブリッジ側に大きな窓を備えて臨場感を演出し、揺れを極力抑えた双胴船で旅客の快適性をアップ。
さらに最新の低燃費エンジンを使用するほか、横須賀市内の家庭や猿島エコステーションで分別され、収集されたアルミ缶を再資源化して船体にオブジェを制作するなど、環境も意識した取り組みです。
無人島・猿島へのプチトリップをより快適に、そして安全に。
新しい船づくりを、このページで随時お知らせいたします。

船づくりの様子はこちらあたらしい船タイムライン

〝直線×曲線〟を意識したアウトライン

猿島航路の専用船として使用する予定の新フラッグシップ。
デザインにあたっては、大手テーマパークのショー運営サポートの実績・経験をもとに、今まで当社船で採用してきたクルーザータイプ(「シーフレンド0」「シーフレンド8」)ではなく、猿島ならではのテーマ性を持たせることにしました。

では、猿島のテーマとは何か?
──私たちがたどり着いたのは〝歴史的建造物と自然が調和する島〟ということでした。
これをデザインに落とし込んだのが、直線と曲線。

猿島にある歴史的遺産を直線で、そして豊かで色鮮やかな自然を曲線で表し、アウトラインとしました。これに合わせ、船体色も落ち着いたものに。
こうして、新しいフラッグシップにふさわしい特徴的なフォルムになりました。

  • 〝直線×曲線〟を意識したアウトライン
  • 〝直線×曲線〟を意識したアウトライン

プチトリップを演出する快適性

当社4隻目の新造船となる新フラッグシップは、過去の船づくりの経験を存分に活かして快適性を高めました。
揺れを極力抑える双胴を採用し、船体を三笠桟橋や猿島桟橋にマッチングする最大長としました。
さらに1階船首側操舵室(ブリッジ)をガラス張りにすることで、客室から見ると猿島がぐんぐん迫って来るようなライブ感を味わえるように。
加えて、後述の「アルミ缶資源活用プロジェクト」により、猿島の自然や歴史をイメージしたオブジェを2つ設置。
これらにより、猿島へのワクワク感を演出し、楽しい旅を安全にサポートします。

  • プチトリップを演出する快適性
  • プチトリップを演出する快適性

船の一部を横須賀市民&観光客がつくる

船の素材には、大きく分けて鉄、アルミ、FRP(繊維強化プラスチック)の3つがあります。
そのうち、当社船ではすべてアルミを採用。これは鉄よりも重すぎず、FRPよりも強度があり、鉄によるいわゆる錆び垂(さびだれ)がないために船体がキレイに保てるという利点があるためです。
また、アルミを船体に使用することで、軽量化によるCO2の削減が期待できるのです。
しかも、アルミ缶のリサイクル率は実に96.6%(2021年 アルミ缶リサイクル協会調べ)。
省資源・省エネルギー・ゴミ削減につながる素材です。

そこで今回の新造船では、横須賀市民が家庭で出すアルミ缶に加え、猿島エコステーションで分別されたアルミ缶を再資源化し、オブジェとして船体の一部にするプロジェクトを行います。
日々の暮らしや、猿島へのお出かけで出たアルミ缶を資源として分別すれば、船の一部になる──── 未来を見据えた新しい取り組みが始まります。

船づくりの様子はこちらあたらしい船タイムライン

  • 船の一部を横須賀市民がつくる
  • 船の一部を横須賀市民がつくる
─ COLUMN ─

なぜアルミ製の船が環境にやさしいの?

1.アルミは軽い!

長さ約20mの船の*船殻(せんこく)をつくる際、鉄鋼なら18t必要です。
しかし、アルミなら11t。これでまずは製造時のCO2を大きく減らすことができます。
*構造主体のこと

アルミは軽い
日本中小型造船工業会 小型造船講習「アルミニウム合金船の設計・構造の要点」図1-2主要寸法・材料・船殻重量の関係 / 2023 3M Impact Local Japan猿島プロジェクト調べ

2.アルミのリサイクル率は93.9%!

日本で使われているアルミは、その93.9%が再生したもの。
アルミという素材が「リサイクルの王様」と呼ばれるのはこのためです。
新造船では、重要な船体の一部には新アルミを使用しますが、およそ9割以上にリサイクルした再生アルミを使用します。

アルミのリサイクル率は93.9%!
アルミ缶リサイクル協会Webサイトより

3.再生アルミを使うことで資源を削減!

新アルミを比較した際の再生アルミのLCI(ライフサイクルインベントリ)推定量
アルミのリサイクル率は93.9%!

船長20mの船の船殻(せんこく)の金属のうち、
重量平均11tのアルミを再生アルミにすると、

  • ボーキサイト
    63t
  • 石炭
    23t
  • 原油
    7t
  • 天然ガス
    11t
  • CO2
    114t
  • NOx
    0.15t
  • SOx
    0.42t

の削減を実現

日本アルミニウム協会 /
2023 3M Impact Local Japan猿島プロジェクト調べ

仮に20mの長さの船の船殻に使われるアルミを11tと仮定し、そのすべてを再生アルミにした場合、新アルミと比べて、資源ではボーキサイト63t、石油23tの削減になります。さらに、CO2は約114tの削減が可能です。

横須賀市民&猿島で分別されたアルミ缶が新造船の一部に!

みんなでつくろう!
猿島の船プロジェクト

2024年4月に完成する新しい船では、〝横須賀市の家庭と猿島で分別されたアルミ缶〟が船の一部になります。
横須賀市民が家庭で分別したアルミ缶は、市の施設「リサイクルプラザ アイクル」に運ばれ、そこで加工されて資源になります。また、猿島で分別されたアルミ缶も別のルートで再資源化。それをトライアングルが購入して精製し、新しい船の一部になるのです!
普段から資源を分別し、リサイクルへの理解を深めていただくのがこのプロジェクトの目的。
横須賀市民、そして猿島を訪れた皆さん、ぜひご家庭でアルミ缶のみならず資源を分別して、ゴミが新たに生まれ変わるきっかけをつくってみましょう。

猿島の船プロジェクト

家庭のゴミが船の一部になる・・・??

  • 1)横須賀市内にお住いのご家庭でアルミ缶を分別
  • 2)収集され、リサイクルプラザ「アイクル」に搬入し、加工
  • 3)精製工場に運ばれ約700度以上の熱で溶かします
  • 4)溶かしたアルミニウムを固め、再生地金(インゴット)にします
  • 5)船体の一部に活用しま

※猿島エコステーションで分別されたアルミ缶は、別途再資源化されます。

新しい船の名前も一般公募します!

本企画は、2023年11月30日をもって終了しました。
応募総数は667通。たくさんのご応募、本当にありがとうございました!
船名の発表や賞品の発送などはこちらでご案内しています。

引き続き、新造船完成までの様子は「あたらしい船タイムライン」をご覧ください!