あたらしい猿島が、動き出す── 2025年、猿島航路再開30周年。

あたらしい船タイムライン

新着記事一覧

  • 〝いざ〟というとき船底はどんな役割を果たすのか?

    • 新造船PROJECT

    2023.12.28

    今回は船の〝なか〟をご紹介!

    ぽっかりと穴が開いた左舷。
    ここはエンジンや燃料用タンクなどを格納するスペースとなっております!
    (右舷にも同じように穴が開いています。)

    エンジンなどを積んだ部屋には名称もあり、あたらしい船でいうとこのような構造になっています。

    ただ厳密にいうと、あたらしい船には「タンク室」「機関室」「舵機室」の間に「水密隔壁」という区切りがない(部屋として区切られていない)ため、すべてひっくるめて「機関室」というみたいです。
    (かなりややこしい・・・)

    各名称も紹介したいため、あえて上記資料のように説明しましたが、実際はというと・・・

    こうなるみたいです。

    ところで、「水密隔壁」とはなんぞや?と。
    実はとある重大な役割を持った壁だったのです・・・!

    それは、もし仮に、船が座礁などをしてしまい、船底に穴が開いたときに役割を果たすのです。

    船底部分は海に面しているので、もし穴が開けば、当然海水が船底に入り込んでしまいます。
    このとき、船底すべてに海水が入り、船が沈むのを防ぐため水密隔壁で侵入を防ぐのです。

    そして、船倉は通称「void space(ボイドスペース)」と呼ばれ、最初に海水が侵入しても重大なダメージを負わない空っぽのお部屋となっています。
    (犠牲にできる部屋ともいえるかもしれません。)
    船の倉庫部分という意味で「船倉」という名前なのです。

    もちろん、前側に船倉を設けているのも理由があります。

    船が何かにぶつかってしまうのは、基本的に前側。
    つまりは、1番最初に穴が開きやすいとされているのが船倉がある前部分ということになります。
    最悪、船倉に何かあっても、機関室に海水が侵入しないように水密隔壁が設置されているのです!

    ちなみに、あたらしい船は小型船のため、1枚の水密隔壁となりますが、大きい船になるとタンク室や機関室ごとに水密隔壁が設置されているそうです。

    というわけで、船底の緊急事態時の役割のひとつをご紹介しました!

    ぜひ次回もご覧ください!